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「雑味」が無い - 2014.02.20 Thu

先日、新しいCDの録音を行なっていることを書かせていただきましたが、完成前のところで聴かせていただきました。
伴奏の楽器の上に歌が乗っています。

まず、聴いてびっくりしたことが。
楽器の良い部分のみが録られている感じがしました。

普通の録音は鍵盤楽器の場合、弦や響板が振動して、その空気の振動を捉えて記録するのですが、今回の録音では響板の振動をそのまま拾うので、楽器からマイクまでの空気の層がありません。
音源として聴いた時にはスピーカーがそのまま楽器の代わりになるという形です。




空気の層でいろんな音が捉えられてしまいます。
ピアノの場合ペダルの雑音、ダンパーの音、アクションの音、弦の叩かれる音。
これらを取り除いた音とは。
完成のCDを聴いていただきたいです。

またピアノをどのピアノにするかでも、原音を聴いて決められたとのこと。
ベヒシュタインとタローネという候補の中、ベヒシュタインはいろんな音が混ざっていたとのこと。
ベヒシュタインは木(響板)を鳴らす、と言われますが、そこにはいろんな木の雑味が含まれているようです。

タローネの音源を聴いて、音の伸びがすごい、音の輪郭がきれい、そして、雑味がない。

タローネを選んだ理由がわかりました。
響板の共鳴構成が一般的なピアノと違って、計算されていないかのような(宇宙的)配列になっていているのがかえって特定な広がりではなく響板全体に響いている感じです。
また響板の響かない部分を完全にカットしているのと、音が鳴る部分をきれいに中心に集めているところなのかと思います。

構造がわからなくても音を聴けば納得する部分です。

クラヴィコードやフォルテピアノもシンプルな楽曲矯正の中で生きています。
これは何の楽器?というのが最初の印象で、クラシック音楽に使われているという概念を崩しているところに新たな発見がありました。

このクラヴィコードとフォルテピアノも16日の「時代を語るピアノの響きコンサート」でお聴きいただけます。

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Author:arakipiano
38年ピアノ技術者として世界中のピアノを見てきました。
ピアノがピアノだけで終わらない、人とのかかわりの中で、心に残るいろんな出会いをご紹介していきたいと思います。
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