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シードマイヤー 1935年製 - 2014.03.05 Wed

この名前でピンと来る方はオーケストラ関係の方でしょうか。
ドイツでチェレスタを製造しているメーカーです。
しかし、ここにあるのはピアノです。
シードマイヤー 1935年ドイツ シュトゥットガルトで作られました。

現在はピアノの製造はしていませんが、ピアノも数多く作られてきました。
戦前のピアノで、どこか工夫が凝らされている時代のものです。



P3040022.jpg

来る16日の「時代を語るピアノの響き」コンサートでお披露目となります。
半年以上前から修理を進めてきました。


ピアノのエンブレムが入っています。
しっかりとピアノを作っていた証です。
P3040023.jpg

実は修理前はこのピアノは黒でした。
P3040026.jpg

見事に綺麗な木目が出てきて、それを表現できる木目調に仕上げました。
戦前のピアノは本当に良い材料を使っているので、塗料をはがしても立派な木が出てきます。
それをつや消しに仕上げました。

中身はこれだけ年数が経っているピアノだったので、汚れ、劣化の修理でした。
P2220003_201403050145572e9.jpg
ハンマーの汚れ
根元までしっかりと汚れを取ります。


P3030001.jpg
金属類の錆。
フェルトなどで隠れている所の方が、汚れ、錆びています。
ここまで来たら新しい部品と交換です。

P3030002.jpg
交換した鍵盤関係。

P2220001.jpg
アクションも全てばらして動きのチェック、鈍ければ修理を施します。

P3040019.jpg
響板、駒は音の伝達の要、しっかり修理をしてドイツ製ニスで塗装します。
鉄骨も再塗装しました。
昔の鉄骨は上だけが金色です。
下2/3はグレーか黒で仕上げます。

P3040016.jpg
アクションが仕上がると、整調です。
昔のピアノは現代のと違って、調整に余裕があります。
悪い言い方にすると、狂いやすい、調整する人によって大きく変わる。
しかし、良い言い方の調整幅があり、いろんなタッチが作れる。つまりいろんな音色が奏でられるということにつながるような気がします。


P3040015.jpg

ハンマーはオリジナルです。
修理したてはなかなか音が出にくいのですが、弾かれていけば行くほど素晴らしい楽器になるを感じました。

コンサートが楽しみです。



● COMMENT ●

修理したて

修理後は落ち着くまでに時間が掛かると思いますが、そこは今度の時代を語る~の演奏に向けて歌枕先生がばしばし弾かれるから大丈夫なのでしょう。

Re: 修理したて

うさま
今回修理したてでも、なかなか鳴るのです。かなりクオリティーの高いピアノたちです。やったかいが有りました。当日どうぞお楽しみに。


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Author:arakipiano
38年ピアノ技術者として世界中のピアノを見てきました。
ピアノがピアノだけで終わらない、人とのかかわりの中で、心に残るいろんな出会いをご紹介していきたいと思います。
よろしくお願いします。

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