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STEINWAY Mのアクション修理と納品調整 - 2015.07.08 Wed

K様のピアノのアクションをお預かりして修理させていただくことになりました。
きっかけは1ヶ月前の初めての調律です。
30年以上経っているピアノで弾き続けているとどういう状態になるか。
消耗部分はありますが、それ以上に環境の影響による経年変化で、PPが弾きにくくコントロールできないようになっていました。

調律時には分解して全てを見ることができないので、鍵盤を弾いた感じで状況を判断して、最終的に修理のご案内になりました。

年代によってスタインウェイの作りや材質も変化しています。
当時は良いと思って使われていた材料も経年変化の状態を見て、使用しなくなった材料も数多くあります。

まず、スタインウェイの特徴はアクションの部品がネジ止めされている各レールです。
通常は、木のみのレール、アルミレールなどです。
スタインウェイは真鍮のパイプになっていて、その中に木材が埋め込まれています。
写真の丸い部分が木材です。
P7060145.jpg




このパイプが木材の膨張によって破裂してしまします。
ネジを締めると余計に広がってしまいます。
P6300075.jpg

しかし、このK様のピアノはネジもしっかりと硬く固定されているので問題はありません。
将来的なオーバーホールの時に交換で済みます。

P6300074.jpg
分解しないと分からないことがあります。

P6300082.jpg
べっとりと付いているネリ黒鉛がスプリングの動きの妨げや他の部分への汚れとなっています。

P6300089.jpg
スプリングが当たるレバーのところに黒鉛の塊や凹みができてスムーズな動きが出てきません。
その凹みをならして、余計な黒鉛も綺麗に取り除きます。

P7010078.jpg
鍵盤が刺さるピンの汚れも硬化してしまっています。

P7010079.jpg
綺麗に取り除きます。

P7010081.jpg
仕上がったところ。

P7060143.jpg
ダンパーアッセンブリー、他、アクション部品の動きが悪くなって、かなりタッチが重くなっています。
それらの動きも全て良くし、納品調整になります。

P7060147.jpg
1日かけて調整をして引き渡しさせていただきました。

すると、大変弾きやすくなって、興奮しました、とのことでした。

オーバーホール前の大きな修理でした。
これで長くご愛用頂けます。

● COMMENT ●

大きな修理

真鍮のレールの割れは、木材の膨張に加えて、衝撃振動で金属疲労も進むのかも。
2枚目の写真、真鍮のレールでねじを外した跡に緑の素材が残っていますが、これはねじの緩み止めなのですか?衝撃振動で緩まない手立てがされているとしたら、さすが細かいところまで配慮されていますね。

Re: 大きな修理

うさま
残念ながら2枚目の写真、真鍮のレールでねじを外した跡に緑の素材はロウです。木の穴にまったくネジ山が付いていない時にねじ込むとかなりの抵抗があります。それを緩和するための意味でのロウと、フレンジを微妙に横にずらしたい時にネジをちょっとゆるめてずれやすいようにフレンジの穴に塗るものです。
また割れは、パイプの形が円ではなく変形したものなので、一番曲げがきつく、その部分が一番薄いところだからです。


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Author:arakipiano
32年ピアノ技術者として世界中のピアノを見てきました。
ピアノがピアノだけで終わらない、人とのかかわりの中で、心に残るいろんな出会いをご紹介していきたいと思います。
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