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YAMAHA C3Bオーバーホール Vol.4 - 2015.10.07 Wed

本体のオーバーホールの様子です。
ヤマハの特徴の一つとして、製造された時代で目指していたピアノメーカーが違い、その方向性があります。
今は国産、外国産に限らずほとんどが同じような方向性を取っていて、違いが見えにくいものになっています。
メーカーのいろんな特徴が表れていた戦前とは大きく違います。
このピアノはすでに量産時代に入っていますが、いろんな面で丁寧に作られていたと思います。
それは分解すれば一目瞭然です。

DSC01224.jpg
チューニングピンの錆、弦の錆があるため交換します。
そして、チューニングピンの周りに木製でできたブッシュがあり、鉄骨に埋め込まれています。
ピンを抜くときにこれらが綺麗に取れるのか、いびつになって(いろんな取り付けがずれている)いて取れにくくなっているのかもわかります。
綺麗になっているほど組み立てのときも綺麗に仕上がるということになります。




DSC01227.jpg

響板塗料が変色劣化するのはヤマハの特徴です。
これらを一度綺麗に剥がして、新しい塗料を吹き付けます。
DSC01235.jpg
劣化して表面に埃が付着した塗料。

DSC01239.jpg
DSC01240.jpg
この時代のヤマハの特徴で、透明塗料の上に響板の淵を黒くする塗料が塗られていて、これが劣化とともにパリパリと剥がれてきます。
この破片が響板の上に乗ってビリビリという雑音になっているピアノも多くあります。
これらを丁寧に剥がします。

DSC01247.jpg
響板の塗装。

DSC01251.jpg
再塗装完了。

DSC01233.jpg
金属部分、主に真鍮製の部品も磨き上げます。

DSC01264.jpg
鉄骨も長年の埃などで汚れているために掃除をします。
弦が当たる部分の弦溝の処理もしっかりと。
劣化、汚れたフェルトも交換です。

DSC01270.jpg
張弦。

DSC01272.jpg
完成。


次はアクションやダンパーを本体にセッティングしていきます。
ここで、より丁寧な作業で作り上げていくことができます。
次回は組み上げ、調整の様子をご報告します。

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Author:arakipiano
38年ピアノ技術者として世界中のピアノを見てきました。
ピアノがピアノだけで終わらない、人とのかかわりの中で、心に残るいろんな出会いをご紹介していきたいと思います。
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