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YAMAHA C3B オーバーホールVol.5 - 2015.10.18 Sun

ピアノが完成しました。
あとは納品を待つまで、微調整を繰り返していきます。

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今回のこのC3Bは丁寧に作られており、手をかければかけるほど綺麗に仕上がり、新品の時以上のクオリティーが出ると思いました。
ヤマハがスタインウェイにはなりませんが、今のヤマハを限りなく上品にできます。




完成までの残りの修理をお伝えします。

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白鍵の張り替え
真っ白ではなくアイボリー(象牙色)
指の掛かる部分、オクターブで掴んだ時に当たる部分、各部面取りを施します。

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削った跡のつや出し

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白鍵完成


キャプスタンを磨く前と後
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長年使用すると心中のこの部品は摩擦で表面が荒れてきます。
現在のヤマハはメッキしていますが、それは表面がかなり荒れています。

PA030087.jpg
表面の荒れはバフがけでつやを出して無くします。

ハンマーの下のアクション部品で、ハンマー同様激しく運動する部分です。
その中で動きのスムーズさがタッチの良し悪しを決める部分で、スプリングの動きがかなり重要なポイントになります。

PA030089.jpg
アクションからウィペンを外します。
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ウィペンを裏向けて、スプリングが当たる木部がくぼむため、なだらかにしごきます。
PA050094.jpg
レペティションレバーくぼみ直し

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ダンパー付け
フェルトにナイフを入れ、ハサミを入れ、確実に音が止まるように調整します。

PA080104.jpg
ハンマーの弦あたり。 アルコールランプの柔らかい火で傾きなどを修正します。

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整音処理(ファイリング)前のハンマー

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ファイリング最中。

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ファイリング完成。
三弦合わせも施します。

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鍵盤の下がる重さを揃えるために鉛調整
鉛を入れたり、削ったり。

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本体に組み込み、荒く調整していきます。
それを何度も繰り返し、完成に持っていきます。

PA160120.jpg
完成

しかし、完成といっても納めたところで良い響きが出ないといけないので80〜90%の仕上がりで、残りは納めたところで響きを聞きながら仕上げます。
納品が待ち遠しいです。

● COMMENT ●

修理の前後で

是非、同じ条件で録音して音の変化を聞き比べたいです!
今度の工房セミナーでは、その一端が確認できそうですが。

Re: 修理の前後で

うさまのおかげで今回の内容が決まりました。ありがとうございます。また長年この内容をやりたいと思っていたので、タイミングが合いよかったです。ぜひ楽しみにしてください。


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Author:arakipiano
38年ピアノ技術者として世界中のピアノを見てきました。
ピアノがピアノだけで終わらない、人とのかかわりの中で、心に残るいろんな出会いをご紹介していきたいと思います。
よろしくお願いします。

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