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必要な修理・クリーニングとそうでないもの - 2016.01.17 Sun

先日引っ越してこられた方のピアノを調律する機会がありました。
その時に、運んできた運送会社がこれは修理、オーバーホールが必要です、と専門用語を使われて言われても本当に必要かどうかがわからないので見てほしい、とのことでした。

30年くらいたったアップライトを引越しで移動させるときにピアノを運送会社に預けたときに中を見られて、修理の見積もりが来て、
そこにはもう一台中古のピアノが買えるくらいの修理代が書かれていたそうです。
そして一旦保留にして違う調律師に見てもらおうと探してくださいました。

年数が経っているピアノは部品の劣化や置かれている環境(温湿度など)で状態がかなりばらつきがあります。
眠っているピアノほど状態が悪いのですが、それが弾けなくなるほどなっていれば誰でもわかりますが、そうで無いものは素人ではなかなか判断ができません。

30~40年経った繊維、皮、樹脂、などの劣化は必ずあります。
しかしそれがすべて交換が必要なものになっているピアノはほとんどありません。
そのまま、まだまだ使える状態がほとんどです。
(湿気による錆、繊維類の虫食い、過度の使用による消耗は交換修理が必要)

実際に伺ってピアノを見てみると、




30~40年経っているので部品の劣化はあるものの、すぐに交換しなければいけないというものは一つも見つかりませんでした。
しっかりとネジの増し締め、再調整などで十分カバーできるもので、結果修理は必要がありませんでした。
この方は中古ピアノが買えるくらいの修理代を払うことはありませんでした。

クリーニングという作業も必要かどうかは基準をどこに置くかです。

・中古ピアノを買うようにピカピカにしたい。

・汚れていても機能すれば問題にしない。

30~40年置いたピアノには埃も汚れも付いているので子供、孫に譲るため、新品のピアノのように金属部分は輝かせ、外装もピカピカにする。
これらの作業は大変な事なので業者に任すほうが賢明です。
中の状態は納まってから調律師が見て判断するのも遅くはありません。

この時に部品交換修理の有無の判断をしてもらいます。

良心ある運送会社、技術者に見てもらうのがピアノの寿命を延ばすことにつながります。

● COMMENT ●

若干のお勉強は…

判断材料・判断基準などある程度の知識は仕入れてくと業者にお任せするにしても納得のいく良い形になりそうですね。
記事を読みながら、工房セミナーの内容が頭の中で巡りました。

私が今まで経験した範囲では、運送屋さんはピアノを運ぶことのみに集中していて、
中身がどうとかこうとか言われたことは一回もないです・・。
むしろ、調律師さんが60年前のピアノ(アカシヤピアノ)は部品もないし直せない、と断言していたのが、名古屋に持って来て自分の工房を持っている調律師さんに見せたら、特に問題ないし直せる、に180度違ったのにあきれたことがあります。

Re: 若干のお勉強は…

うさま 今までのセミナーはこういう時にこそ役に立つのだと思います。
それにしてもこれで泣いている人がどれだけいるか、ということです。

Re: タイトルなし

TAKEさま 残念ながら今の現状はもう昔と違って、ピアノの流通が減っているので、少しの流通で利益を得るためになんでもするというスタンスです。運送屋が技術者を抱え、違う分野に技術半分以下で進出するということです。運送屋さんの質、技術者の良心にかかっているのでしょう。


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Author:arakipiano
32年ピアノ技術者として世界中のピアノを見てきました。
ピアノがピアノだけで終わらない、人とのかかわりの中で、心に残るいろんな出会いをご紹介していきたいと思います。
よろしくお願いします。

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