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フッペル 思い出のピアノを次の世代へ Vol.1 - 2016.07.27 Wed

福岡県のI様からご連絡をいただき、修理をしてほしいピアノが直方市にあります、と連絡があったのが6月。
そのピアノは映画でも有名になったフッペルHUPFERのアップライトピアノでした。
やはり九州にこのピアノが多いのでしょうか。

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70代のI様が「まだ私が健在のうちに、次の代に渡して弾いてもらえるようにしたいです。」とのことでした。
ピアノは100年近く経っているものと見えますが、I様は60年ほど前に学生時代にピアノの先生から紹介されたこのフッペルを購入されたとのこと。
このピアノは福岡の放送局で使われていて、今まで全く聞いたことのない音色だったそうです。
家にやって来たピアノで高校生まで弾いて、その後は弾く機会が無く、今から20年ほど前からは空き家になっているところでずっと置かれていたとのことでした。
象牙ははがれ、弦は錆で切れ、音も止まらず、ペダルも壊れている状態。

思い出のピアノを、しかも素晴らしいピアノをもう一度弾けるように蘇らせ、次の世代に渡したいとの考えでご依頼いただきました。



うたまくらピアノ工房でフッペルを修理するのはこれで3台目になります。
今までのピアノの共通点、経験を活かせるのも大きいです。
P6160016.jpg
側板は無垢の木を2枚並べています。
今ではこういう木材は変形するため使いません。

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弦も切れ、ハンマーフェルトも虫食いです。

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弦を外す作業は、弦の太さを図りながらチェックします。
現代のピアノと大きく現設計が違います。
巻線は浜松の巻線工場に出して、ドイツの弦で作ってもらいます。

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鉄骨を外して、したの木の状態、響板の状態を見ます。

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鉄骨を外すと、いろんな部品の接着が取れていました。
再接着します。

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鉄骨の錆を取って、再塗装します。

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この状態で暫く置いておきます。
湿度の高いところにずっと置かれていたので、しばらく乾かして、木の割れなどの様子を見ます。

またオーバーホールの様子をご報告します。

● COMMENT ●

月光の夏

奇遇です。私の高祖父、曽祖父は直方出身で、二人とも今年で没後100年。まさにその頃(大正5年頃)つくられたフッペルが、ピアノ工房に来ているんですね。重症みたいですが、荒木さんの手にかかれば、無事復活できそうな気がします!
さて、私は、会ったことのない直方のご先祖様を偲び、直方市にふるさと納税をし、返礼として美味しいジェラートをいただいたばかりです。
また、国鉄マンだった大伯父は、終戦頃、鳥栖駅勤務だった可能性があり、映画「月光の夏」をまた見たいと思っていた矢先の、ぞくぞくさせられるニュースでした。

Re: 月光の夏

やすぴょんさん
そうなんですね。なんというご縁でしょうか。またじっくりお話を聞かせてください。楽しみにしています。


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Author:arakipiano
32年ピアノ技術者として世界中のピアノを見てきました。
ピアノがピアノだけで終わらない、人とのかかわりの中で、心に残るいろんな出会いをご紹介していきたいと思います。
よろしくお願いします。

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