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劣化 - 2018.08.21 Tue

YAMAHAのバージョンアップしたアクション、鍵盤の納品が終わりました。

前回の記事で作業内容などは書きましたが、それ以外で処置をした事があり、製造されたこれらの時代のYAMAHAの問題として伝えないといけない事柄があります。

それは「劣化」
しかも接着剤。

木と木の貼り合わせの部分がピアノには数多くあるのですが、その貼り合わせに使っている接着剤が用を成していない状態でした。







写真のように、違う木目の部分が貼り合わさっている所が真っ二つに割れています。

同じ木で全てはできないので、貼り合わせたものを加工して使っている部分は多いです。
その時の接着剤が30年程で劣化して強度が無くなって、ちょっとした刺激で剥がれる現象が起きていました。



一つの症状でピアノ全体の確認となったのですが、貼り合わせの部分の多い事にビックリしました。
無駄を出さないようにするのはどんな場所の木部でも部品にする技術がありますが、天然の材料「木」より先に化学系接着剤が悪くなるという事がわかりました。

これからの国産ピアノの付き合い方を考える時代かもしれません。

● COMMENT ●

接着剤

接着剤は樹脂なので経年劣化しますが、かと言って30年を過ぎた接着剤が全部剥がれているわけでもありません。このピアノのケースだと、最初からちゃんと接着できていなかったかも?木材は接着剤を吸収するので、ケチらず両面にしっかり塗らないとダメです。確実な接着のためには、一度、薄く接着剤を塗って乾かし、再度、接着剤を塗る二重接着が有効ですが、そんな手間の掛かることはやってないでしょうね。

Re: 劣化

某メーカーはコストダウンのせいか接着剤を変えて数年後にその接着が剥がれるというクレームを起こしています。
定期的にこういう内容が起こっています。貼り方もそうかもしれませんが、材質自体に問題があるのかもしれません。

Re: 劣化

なるほど、接着剤自体の問題もあるのですね。是非、剥がれた面を顕微鏡で観察したいものです。次回、セミナー等でお話しさせてください。


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Author:arakipiano
38年ピアノ技術者として世界中のピアノを見てきました。
ピアノがピアノだけで終わらない、人とのかかわりの中で、心に残るいろんな出会いをご紹介していきたいと思います。
よろしくお願いします。

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