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ベトナムのピアノ修理 - 2019.08.16 Fri

許されない修理。
人件費が安く、輸送費をかけても国内で修理するより安く仕上がるベトナムでの修理。
利益が出るためこういう修理を利用する業者が増えています。
しかし、修理レベルは素人が作業したかのようにしか見えないほど程度の悪いもので、ピアノの良さを消してしまっています。



一見すれば外装が綺麗に仕上がっており何十年も経っているようには見えません。
細かな状態、部品の良し悪しなどは専門の技術者以外はわからないので購入者はそこで騙されてしまう案件が増えています。

以前アップライトピアノをベトナムでのオーバーホールしたものを見たことがありますが、外装以外はいつ壊れてもおかしくない程度のものでした。
しかし、お客様は思い出のピアノが蘇るならと頼まれたそうです。

業者の利益のためにピアノと所有者が犠牲になる、許されないことです。

そして今回はかなり酷い状態のピアノの修理依頼があり進めています。



オリジナルの寸法をきちんと再現する技術が無いため、取り付け角度がバラバラ、意味のわからない極端な削りで調整に支障が出でいるもの、巻線の長さがバラバラで調律がきちんとできない(音程が取れない)、面倒な作業は手を抜いて中途半端、などなど細かなことを書けばきりがありません。



もはや修理する人は技術者ではなく、部品を右から左へ交換するただの人で、ピアノに対しての愛情や購入する人への思いなどは無いのでしょう。
決してベトナムの人が悪いのではなく、それを指導した日本人が酷いのです。

良いピアノを長く使ってもらえるように本物の技術は残さないといけません。
それを弾き手にわかるようにする啓蒙も必要です。
丁寧に綺麗に誠意を持って行っていきます。

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Author:arakipiano
38年ピアノ技術者として世界中のピアノを見てきました。
ピアノがピアノだけで終わらない、人とのかかわりの中で、心に残るいろんな出会いをご紹介していきたいと思います。
よろしくお願いします。

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