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ダンパー調整研修 - 2020.04.02 Thu

技術者の嫌いなジャンルの作業はグランドのダンパー調整です。
なぜなら上手くいかなかったら音が止まらなくなるからです。
もしくはペダルで全音域が均一斉に止まるのがずれてしまうのです。
グランドのダンパーは弦の振動を黒い木とピアノの中にあるアッセンブリーとの重みでフェルトを当てて止めます。

今回の研修はダンパー調整の中で一番難しいワイヤーを新品に変えて工場のように作り上げていく工程をやりたいとのことで、技術者4人が受けにこられました。

私も技術の仕事をやり出した若い頃最初にぶつかった壁がダンパー調整でした。



ほとんどやったことのないダンパーに止音不良が発生。
分解して元に戻さなければいけません。
なんとか修理を終えて気がつくとすごい時間が経っていました。
しかも満足に動いていません。 すっかり自信を無くして(最初からあまりなかったのですが)これでは正常なピアノではないと思い、ドイツのメーカーへ修行に行かせてもらい、新品ピアノのダンパー付けをとことん教えてもらいました。



今は一番得意な作業のひとつとなり、時間も早くでき一般家庭での調整もよく行います。

今回来てくださった技術者の方々はほとんどこの作業を現場で行った事はないとのこと、極力触りたくないとまで言われていましたが、自ら勉強したいと来られた意欲に感動しました。

ダンパーの調整の概念をメーカーごとによって、同じメーカーでも時代によって違う構造の話からすると、どんどん理解されて、わからなかったことがどんどん解決していく様子が見えてきました。


上下に2つの違う位置にある穴を硬いワイヤーで結ぶのですが、その位置決めが難しいわけです。

長時間にわたり一通りの流れを説明しながら行いました。
全部取り付けるところまではたどり着けませんでしたが、何か自信を持って帰っていただけたのが印象的でした。

また次回の課題が見えた有意義な研修でした。

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Author:arakipiano
38年ピアノ技術者として世界中のピアノを見てきました。
ピアノがピアノだけで終わらない、人とのかかわりの中で、心に残るいろんな出会いをご紹介していきたいと思います。
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